配管の種類とは?各々の違いや用途を徹底解説!
生活環境は、一軒家であったりマンションであったり、人によって異なります。
しかし、どの環境にも通っているのが「配管」です。
水道やガスなど通すには欠かせないものです。
そして工場やビルでは、より多くの配管が通っています。
この記事では「配管って何種類あるの?」「種類によって、どんな用途があるの?」といった疑問を解消するものになっています。
配管が必要な4種類の流体と特徴について解説
配管を流れるもの、流体によって配管の種類や呼び方が変わってきます。
配管の種類には以下の4つがあります。
・粉体配管
・液体配管
・気体配管
・配線保護用配管
1.流体がパウダー系の場合は粉体配管
粉体配管とは、パウダー系のものを流体とする配管です。
移送方式は、大きく分けて2つあります。
「圧送配管方式」と「吸引配管方式」です。
粉体配管にはデメリットもあります。
それは、配管内に粉体が詰まりやすい点です。
パウダー状のため、配管内を平滑な材料の使用や極力曲がる箇所を少なくするなど、対策が必要です。
2.流体が水の場合は液体配管
液体配管とは、液体を流体とする配管で「水配管」と「油配管」の2種類に分類されます。
水配管の流体は、飲料水や雑用水、排水などがあり劣化や冬季に起こる凍結に注意が必要です。
対策として、配管のレイアウトが挙げられます。
例えば、配管を短く設計したり、空気が溜まらないよう注意したりすると効果的です。
どうしても空気が溜まってしまう構造なら、「空気抜け弁」を取り付ける方法があります。
油配管の流体は、主に給油のために使われています。
水配管に比べると、圧力が高いため、耐圧性や耐食性を注意した配管が必要です。
3.流体がガスの場合は気体配管
気体配管とは、水蒸気やガス、圧縮した空気などの気体を流体とします。
特殊なガスも流れているため、対策を施している配管が必要です。
例えば、医療品医療機器法の規制を受ける医療用のガス配管や、真空配管などがあります。
注意点は、配管口径が適切ではない場合、破損する恐れがある点です。
配管内の圧力や、温度変化がかかるため、鋼管を使う必要があります。
鋼管を使用すれば、耐圧性能や100℃以上の温度にも耐えられるメリットがあります。
必要に応じて、流体そのものが熱で損失してしまうのを防止するため、保温工事も必須です。
4.ケーブルの場合は配線保護用配管
配線保護用配管とは、配線の中を通して保護を目的としている配管です。
例えば、配線の保護や機材の劣化防止、火災による燃焼防止などで使われます。
保護用の配管のため、使われる素材は金属や合成樹脂が代表的です。
特に金属の場合、強度に優れています。
しかし、コストが高く、別途接地工事が必要です。
合成樹脂は、簡単な加工だけでなく、接地工事の必要がありません。
簡単な加工で施されている分、金属配管に比べると、強度は劣ってしまいます。
配管環境に適した配管選びが重要になります。
配管に欠かせない部品の種類と特徴4つ
配管としての役割を果たすために必要不可欠な部品は4つあります。
・管継手
・バルブ
・防食剤
・断熱材
これらの部品を配管設備といい、配管を構成するために知っておく必要があります。
部品1.管継手
管継手は、配管と配管または、配管とバルブをつなぐための部品です。
流れを変えたり、防いだりする場合に活用します。
ほかにも、振動や熱からくる膨張の対策にも最適です。
接続方法や素材の種類は多種多様です。
例えば、配管の向きを変える「エルボ」や4本の配管をつなげられる「クロス」などがあります。
流体が粉体なのか液体なのかなどで異なり、ほとんど規格で定められています。
寸法は日本産業規格や継手協会で確認できるので、必ず閲覧しておきましょう。
部品2.バルブ
バルブは、流体を通過させたり止めたり、流量の調整したい場合に使う部品です。
使用目的や流体の種類、材料、圧力など適材適所のバルブがあります。
例えば、流量の調整に向いた「グローブバルブ」や広範囲に向いた「ボールバルブ」などがあります。
具体的には、開閉時間の短さを気にしつつ、流体をS字状に流したいなら「グローブバルブ」が適切です。
「ボールバルブ」は、バルブを回転させながら流体の開閉をするため、広範囲に流したい箇所に適切です。
どこで何のため使うのかを考慮した選択が必要になります。
「弁」と表現している場合もあるので、覚えておきましょう。
部品3.防食剤
防食剤は、配管を保護するために使うものです。
防食剤を活用すると、水分や微生物などから生じる腐食を防止する役目があります。
例えば配管に塗りつける「プライマー」や配管に巻きつけて腐食を防ぐ「防食テープ」と「絶縁テープ」が代表的です。
配管を保護する場合は必要になります。
部品4.断熱材
断熱材は、流体の熱損失を防止するために使うものです。
実際に、凍結や高温からくる損失が発生しやすいため、必需品になります。
断熱材は配管に巻きつける構造になっており、素材はグラスウールや発泡ポリウレタンが一般的です。
断熱材の正しい選び方は、国や自治体が発行している「工事共通仕様書」で確認ができます。
まとめ
配管の種類について、押さえておきたい違いや用途について解説しました。
生活しているだけだと、なかなか気にならない部分かも知れませんが、種類の違いはとても奥の深いものです。
「配管」とだけ表現しても、用途にとって使われる材質も異なってきます。
種類の豊富さから、使用用途を間違えると、大問題になってしまいます。
人の生活を支える住居にとって、欠かせない配管の種類をすべて暗記するのは、難しいでしょう。
今こうして安心して住めている環境には、「配管工を含めた業者の努力あって」と感じてもらえたらと思います。